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RDT
増幅機構付き減衰装置―減衰こま
Rotary Damping Tube
1. 構造と特徴
増幅機構付き減衰装置「減衰こま」(RDT)は、産業機械用として普及しているボールネジを利用した増幅部と回転筒を内包し間隙に粘性体を充填した減衰部とで構成する減衰装置です。
建物の層間変位などで生じた直線運動(軸運動)をボールネジによって速度を増幅した回転運動に変換、粘性体を充填した減衰部の外筒と回転体との間で生じる粘性抵抗により大きな減衰力を発揮するものです。
この装置には以下の特長があります。
増幅機構の働きで小型でも大きな減衰力を発揮
小振幅の制震から大振幅の免震用ダンパーまで対応
せん断抵抗型の粘性ダンパーと比較して温度依性が小さい
取り付けが容易で既存建物の耐震改修にも適する
2. 基本特性
RDTの抵抗力は、
・粘性体の抵抗による力
・機械摩擦による力
・回転運動による慣性力
を足し合わせたものになります。そのうち、粘性体の抵抗による力は粘性体の粘度と速度の関数として求められます。
抵抗力 F = λ(αQv + Qi + Qf )
λ:ねじ効率
Qv:粘性抵抗力
Qi:回転慣性力
Qf:機械摩擦力
α:繰り返し依存係数α
3. 各種依存性
・温度依存性
−10%〜+10%
(粘性体温度範囲0℃〜40℃時、型番による)
・繰り返し依存性
−15%〜+15%(α=0.85の場合)
・経年変化
なし
4. ラインナップ
RDTには制震用と免震用があります。
制震用は50 kNから2000 kNまであり、標準ストロークは±100 mmです。
免震用は20 kNから1400 kNまであり、ストロークは1,000 mmまであります。
両タイプとも、端部ジョイントや設置条件により調整鋼管が必要です。
■形式記号の例
RDT 125 − 750
〈種別〉 〈基準抵抗力〉〈有効ストローク(mm)〉
5. 使用例
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